

「告白」のあらすじ
『いつかきっと…必ず…キラキラと光り輝く純白の白馬に乗った、夢のように素敵で、私だけを見つめてくれる王子様がこの私を迎えに来てくれるのよ…!』
幾星霜を刻み込んだ深い皺の奥で、少女の頃と寸分違わぬ乙女の瞳をキラキラと輝かせ、彼女は今日も陽光降り注ぐ窓辺で、未だ見ぬ、そしておそらく存在しないであろう王子様を、ひたすらに待ち続ける。
レースのカーテンは歴史の重みで黄ばみ、部屋に飾られた若き日のセピア色の写真は、もはや誰だか判別不能レベルに…。
おとぎ話の世界から抜け出してきたかのような、あまりにもピュアで、あまりにもロマンチックすぎる夢。
その夢だけを生きる糧とし、激動の昭和、平成、そして令和という三つの時代を駆け抜け、戦争も、災害も、パンデミックも乗り越え、ひたすらに、ただひたすらに願い続けて…
気づけば、桜は90回以上舞い散り、季節は360回以上巡り、人類は月面に降り立ち、インターネットが世界を覆った。
そう、早90年…!!!
もはや人間国宝級、いや、世界遺産級の待ち人! 存在そのものがファンタジー! 生ける伝説!
果たして、彼女の脳内にのみ存在する王子様は、世紀を超え、時空を超えて、その姿を現すのか!?
それとも、これが彼女の90年分の積もり積もった想いを込めた、人生最後の、そして最初かもしれない『告白』――すなわち、長きに渡る夢への決別宣言、あるいは『もう待てん! こちらから冥府に迎えに行くわ!』という逆襲の狼煙なのか!?
切なすぎて、もはや宇宙的スケールの叙事詩! その衝撃の結末やいかに…!?

前回の続き!
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