
「親友」のあらすじ
「なあ、いつまでも敬語なんて堅苦しいぜ。俺たち親友だろ? もっとフランクに、お互いあだ名とかで呼び合おうぜ!」
昨日、クラスメイトの堅物な友人にそう熱く提案したのは俺だ。
いつも「〇〇さん、おはようございます」と丁寧だった彼との距離を、自分の手で縮めた……はずだった。
翌日、角から現れた友人は、見違えるほど晴れやかな笑顔を浮かべるなり大声でこう言い放った。
「よう、エテ公!」
……待て。
フランクになれとは言ったが、それは単なる直球の野生動物扱いではないか。
悪気のない満面の笑みで「ほら、好物だろ?」とバナナを差し出す友人。
確かに心理的距離はゼロになったが、その代償として俺の社会的尊厳と人としてのプライドが音を立てて消滅した瞬間だった。

親しき仲にも礼儀あり…



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