
「ドジっ子?」のあらすじ
「……チッ、おい、何分待たせる気だ?」
深夜の交差点。
全身から殺気を放つ鋭い目つきの男が、微動だにせず仁王立ちしていた。
目の前の信号は、男を嘲笑うかのように頑なに赤のまま。
男の額には激しい青筋が浮かび上がり、拳は怒りで震えている。
今にも信号機を蹴り飛ばしかねない緊張感が漂う中、男の視界に『それ』が入った。
「……ん?」
信号機の柱にぽつんと鎮座する黄色い箱。
そこに大きく書かれた『おしてください』の文字。
そう、そこは押しボタン式交差点だったのである。
男は怒りで上がっていた肩をそっと下ろし、静かに周囲を見回して誰もいないことを確認。
そして、鋭い眼光のまま極めてソフトなタッチで『ポチッ』とボタンを押した。
直後、快い音とともに即座に青へと変わる信号。
強面の男は、耳まで真っ赤に染め上げ、なぜか少し小走りで横断歩道を渡っていったのだった……

可愛い!!



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