
「目」のあらすじ
暗い路地裏、近道をしようと足を踏み入れた瞬間、全身の毛穴が開いた。
街灯の陰に佇む男。
その眼光は血走り、まるで獲物を狙う肉食獣のような「とんでもなく怖い目」でこちらを睨みつけている……!
「ヤバい、関わったら消される――!」
本能的な恐怖に駆られた俺は、静かに後ずさりし、大人しく遠回りして帰るべく向きを変えた。
その時、視界の端で男の右手が上着のポケットの中で、尋常じゃない速度で上下に動いているのが分かった!
凶器を取り出すのか!? 刺される――!?
「……んッ、ふぅぅ……っ!!」
暗闇に響いたのは、殺気立つ怒号ではなく、絶頂を迎える不審者の恍惚とした吐息。
あの「怖い目」は殺意などではなく、ポケットの中で『あれ』に全神経を集中させていた男の、限界突破の表情だったのだ。
命拾いした安堵ではなく、形容しがたい絶望的な気持ち悪さを抱え、夜の街を全力疾走で駆け抜けた……

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