
「床屋」のあらすじ
「サイドは刈り上げつつグラデーションで、トップは韓流タレントみたいに重めの束感を残して……あ、前髪はシースルーで、全体的にミステリアスな色気が出る感じで頼みます!」
ヘアカタログを指差しながら、10分以上にわたって理想の髪型を熱弁していた。
店主の男は、ハサミを握ったまま無言で男の講釈を聞いていたが、やがて深々とため息をついた。
そして、ハサミを静かに台へ置き、代わりに重厚なバリカンを手に取ると、一瞬の迷いもなく最高速でスイッチを入れた。
「ブーブーブー」と唸りを上げる刃を男の頭皮に押し当てながら、店主が一喝する。
「ブサイクは坊主で十分だッ!!」
叫ぶ間もなく、長年温めてきたこだわりの前髪と束感は、わずか5秒で「美しい丸坊主」へと姿を変えた。
鏡に映ったのは、ミステリアスな韓流タレントなどではなく、ただただ「潔すぎる丸刈りのブサイク」であった…

イケメンはどんな髪型でもイケメン…




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