
「メスヤギの愚痴」のあらすじ
「……ねえ、聞いてる? ウチの彼、また手紙を寄こさないのよ」
夕暮れ時の牧場。
メスヤギたちの集会は、いつだってドロドロとした色恋の愚痴から始まる。
「記念日のメッセージカードも、愛の告白が綴られた便箋も……。あいつの愛って、そんなに薄っぺらなものなの!?」
彼女たちが吐き出す「不満の熱量」とは対照的に、辺りに響き渡るのは、「クチャ……クチャ……」というリズミカルで無機質な咀嚼音。
そう、彼女たちの口内には、今まさに届いたばかりの「彼氏からの愛の結晶」が、上質な繊維質として収まっていた。
今日もまた、一文字も読まれることなく、感動のプロポーズは唾液でふやけ、胃袋へと直行する。
メスヤギたちの恋は、いつだって「文字通り」飲み込んで消化することで、綺麗さっぱり忘れ去られる運命なのだ……

さっきの手紙のご用事なあに






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