
「余計なお世話」のあらすじ
「おい! やめろ、いじめるんじゃないッ!!」
浜辺で繰り広げられていたのは、数人の子供たちによる、一匹の亀への無慈悲な殴る蹴るの暴行。
現代版・浦島太郎の悲劇を前に、男は正義感に突き動かされて制止に入った。
しかし、子供たちを突き飛ばし、盾となって亀をかばったその瞬間、男は耳を疑うような「声」を聞く。
「……あ、あぁ〜ん……そこッ……そこもっと強く踏んでぇぇん……っ!!」
見れば、甲羅に引っ込んだ亀の顔は、苦悶ではなく完全なる恍惚に歪んでいた。
長い首をだらしなく伸ばし、息も絶え絶えになりながら、もっと強い衝撃を求めるその姿は、紛れもない「ドMのそれ」
子供たちの容赦ないキックは、亀にとって至高のマッサージだったのである。
男の介入によって極上の時間を奪われた亀は、血走った眼で男を睨みつけ、チッと盛大な舌打ちをして海へと帰っていった。
「止めるべきでは、なかったのか……?」
静まり返った浜辺。
男の手に残ったのは、助けた命の温もりではなく、他人の特殊な性癖を邪魔してしまったという、底知れぬ罪悪感だけだった……。

正義ってなんだろう?




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