
「帽子」のあらすじ
「うーん、ハンチングも捨てがたいし、ハットもおしゃれだしな……」
帽子屋の鏡の前で、自分に似合う一品を見つけられず長々と悩んでいた。
すると、そこへ愛想の良い女性店員が、洗練された笑顔を浮かべながら静かに近づいてきた。
「お客様、迷われているようでしたら……絶対にお客様の雰囲気にぴったりな、とっておきの帽子がございますよ」
プロの目から見て、自分の魅力を最大限に引き出す極上のおしゃれ帽子を提案してくれるのか――期待に胸を躍らせる俺の前に、彼女がうやうやしく両手で差し出してきたのは――
「……これ、黒沢年雄のニット帽じゃねえか!!」
そこに鎮座していたのは、洗練とは程遠い、独特のクセを放つ「完全に黒沢年雄が愛用しているタイプのダサいニット帽」であった…

黒沢年雄氏に失礼…




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